健康を知る(13)
コレステロールの制限値は「死亡させるため」えっï
減塩食や植物油など、この30年間ぐらいテレビで「健康に良い」と言われてきた物が実は健康に関係がないか、あるいは毒物と言っても良いほど問題があることが次々と指摘されています。
その中でも特に「メタボ騒動=厚労省が「メタボ」を突然、発表した時」の規制値ほど害となるものはありませんでした。少し厳しく言えば「犯罪」で、厚労省が発表した規制値を守って亡くなったことを証明できれば、故意の殺人罪も適応できるのではないかと思うほどです。
表紙に示しましたが、厚労省が示した総コレステロールの制限値は、140から199でした。しかし、その横(右側)に示したグラフは、コレステロールが200以下では死亡確率が高くなること、特に180以下では死亡確率(ガンや血管障害が主)が2倍以上になっています。
これは臨床のデータですから、現実にコレステロールを厚労省の制限を守ったことが原因となってガンで死亡した人が相当数いることを示しています。その方やご家族の方の気持ちになってもらいたいと思うのです。「お役所の言うことが正しい」と信じてコレステロールを下げようとし、その結果、ガンで亡くなった訳ですから、これを殺人と言わなくてなんといったら良いのでしょうか?
また厚労省の尻馬にのってテレビで放映したNHKや民放、そして新聞で「健康特集・・・コレステロールを減らそう」などと書いた記者はその理由を釈明しなければならないでしょう。マスコミは「政府が言ったから」ではダメで、むしろ政府の言うことに疑いを持って国民側で報道するために存在するのです。
このようになった原因は、このブログでも指摘しているように、第一に「縦割り医療」・・この場合は、コレステロールを200以下にすれば心臓疾患が減るので、心臓関係の医師が「ガンになっても俺の専門ではない」ということで200以下にしたのです。
また第二には、「医師は人の健康を守ることはできない」と言うことを国民が知らなかったということです。医師は「病人を治療する」ことにはたけていますが、病院には健康な人は行かないので、健康を維持すると言うことについてはほとんど経験がないということです。
でも、これほど酷いことが厚労省は学会の名前で行われ、NHKがそれを拡散していたということはよくよく考えなければならないことでしょう。
(平成27年9月22日)
(出典:武田邦彦(中部大学)ブログ)