2015年5月10日日曜日

健康を知る006 頭脳と利己主義がなければ



「健康を知る」も第6回になり、時には少し深い話もしてみたいと思います。

動物の世界を見ると、人間と大きく違うところがあります。それは「医療や栄養学が無くても健康で、自分の死期を知って逍遙として死に臨む」ということと、「集団に寄与できなくなると命を終わる」ということの二つです。また人間に飼育された動物は野生の動物と違って、独特の病気にかかります。「鳥インフルエンザ」がその例の一つで、野鳥は原則として発症しません。「家禽病」、つまり「人間に飼われること」が病気の元になるという病気が多いのです。

つまり、健康を害し、寿命が短くなるのは、

1) 知識があるから、

2) ストレスがあるから、

3) 利己主義だから、

4) 調理しすぎだから、

と考えられます。

最後の4)ですが、これが家禽病の原因かも知れません。また3)は動物界で共通のことで、「寿命を決める健康状態」とは「個別の動物の健康状態」ではなく、「集団に寄与しているか」がその前提になります。

哺乳動物では閉経後のメスやはぐれオスの寿命が極端に短いのは「集団で貢献できない個体は健康でも死ぬ」ということを示しています。幸い、人間の社会は複雑なので、いろいろなことで「社会貢献」ができます。女性の場合は主としてお世話が有効で、男性では社会の役に立つことと考えられています。

人間、特にヨーロッパ文化は「個人が良ければ良い」ということですが、これは浅薄な考えで、人間を含めた多くの哺乳動物はそんなに簡単な運命を持っているわけではなく、「個人より集団に貢献するほど長生き」というのが普遍的な原則のようです。

この際、「自分の健康」より「社会に貢献する」ことに重点を置く「健康法」を編み出すのが良いと思います。

(平成27年4月29日)

(出典:武田邦彦(中部大学)ブログ


2015年5月5日火曜日

ぷるぷる気功 健康法

ぷるぷる気功

秘伝中の秘伝の「ぷるぷる氣功」です。
1回5分、1日3回行うと、良いとのことです。


張永祥先生のプロフィール

1950年、中国遼寧省生まれ。1986年、来日。全日本気功師会会長、
気功師養成学校校長、モスクワ医科歯科大学、元日本医科大学客員­­研究員。
日本初の気功の法人会社「株式会社三宝」を設立。


「すごい氣が出るDVDブック」での

【苫米地英人博士からのメッセージ】


近年、日本のみならず、世界中で「氣功」への関心が高まっています。

そこで、そろそろ「本物の氣功」をきちんとご紹介しよう......ということで、中国の「秘伝功」宗家である張永祥先生とともに、本書と、付属の「すごい氣が出るDVD」完全版を作りました。

今、世界中の医療関係者や研究者が、張先生の「張式氣功」の効果を確認し、研究を重ねています。
その「張式氣功」の奥義が「秘伝功」です。

本来であれば門外不出の「秘伝功」が、世界で初めてDVD化されたこと自体、歴史的事件と言っていいでしょう。

しかも、通常、基礎を修得した入門者にしか実技を指導することのない張永祥先生が、ここでは秘伝中の秘伝「ぷるぷる氣功」と「太極球」を実演されているのですから、付属のDVDは、非常に価値が高いといえます。

氣功経験者や、敏感なかたは、DVDの画像から「氣」が発せられているのを、ビリビリ感じられることでしょう。氣は本質的に、時空を超えて、送ることも、受け取ることもできるのです。


張 永祥先生の気功関連の書籍

ぷるぷる気功 健康法


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2015年4月24日金曜日

2015年4月19日日曜日

ジョーン・ジェット Joan Jett - I Hate Myself For Loving You



ジョーン・ジェット

ジョーン・ジェット(Joan Jett、出生名Joan Marie Larkin、1958年9月22日 - )は、アメリカ合衆国のシンガーソングライター・女優。

カバー曲「アイ・ラブ・ロックンロール」(I Love Rock 'n' Roll) が、1982年3月20日から5月1日までビルボードヒットチャートの1位を記録した、ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツとしての活動で最も有名である。

声域はメゾソプラノ。彼女の音楽性は、アメリカン・ロックに共通してみられる、ハードなサウンドに色濃く影響されている。歌詞は多くの場合、男性との間の失われた愛、共和党への批判、同性愛への寛容、アメリカ労働者階級の音楽であるヘヴィ・メタルの探求を描いている。(出典:ウィキペディア)



2015年4月16日木曜日

人生の錯覚(3) 言葉は後からついてくる




地震学者と経済学者はなにか脳に欠陥があるのではないかと心配になる。

震度4以上の地震が年に60回程度起こる地震大国日本。10年で600回にもなるのに、一度も地震予知に成功していない。それでもまだ地震が予知できると言い、東南海地震が来ると警告する地震学者の頭脳を知りたい。

経済もそうだ。バブルの崩壊、リーマンショック・・・大きな変動すら予想できないのに、来年はこうなると小さな予測を自信たっぷりにする経済学者も理解することができない。

でも、人間と言語の性質から言えば納得できる。人間は自分のみを守ることを「正しい」と思い、それに後から「言語による理屈」をつけるからだ。自分とは関係なく「正義」を決めることができる人は本当に少ない。

自分が正しいと思ったり、理屈をつけているものはエゴではないかと反省するだけで腹が立つ回数が減る。

(平成27年3月30日)

(出典:武田邦彦(中部大学)ブログ




2015年4月13日月曜日

Bloggerブログの画面右下に「PAGE TOP」を表示させる簡単な方法。(カスタマイズ・メモ)

Bloggerブログの画面右下に「PAGE TOP」を表示させる簡単な方法。(2015年4月13日)

1.テンプレートの「HTMLの編集」を選択。
2.テンプレート編集を選択。

3.body部の最後に、下記HTMLを追加。

  <!-- ******************** PAGE TOP ******************** -->
  <p id='page-top'><a href='#header' title='PAGE TOP'>&#9650;<br/>PAGE<br/>TOP</a></p>

4.テンプレートを保存。
5.テンプレートのカスタマイズを選択。

6.上級者向け「CSSを追加」を選択し、下記CSSを追加エリアに追加する。

  /* ********** PAGE TOP ********** */
  #page-top {
    position: fixed;
    bottom: 20px;
    right: 15px;
    font-size: 100%;
  }
  #page-top a {
    background: #006400;
    text-decoration: none;
    color: #fff;
    width: 55px;
    padding: 10px 0;
    text-align: center;
    display: block;
    border-radius: 10px;
  }
  #page-top a:hover {
    text-decoration: none;
    background: #F0F;
  }

7.「ブログに適用」をクリック。

以上で、このブログの右下のように表示します。



2015年4月10日金曜日

ミューズ (バンド)  Muse - Live at Rome Olympic Stadium (2013)




ミューズ(Muse)とは
ミューズ(英: Muse)は、イギリスのロックバンド。1994年にデヴォン州ティンマス(英語版)で結成。現在までに6枚のスタジオ・アルバムを発表。グラミー賞のノミネート3回(うち受賞1回)、全世界でのセールスは1500万枚以上を数える。2009年9月、5thアルバム『ザ・レジスタンス』を発表。初のセルフ・プロデュースとなった同作は、クイーン等の70年代ロックを思わせる曲、 シンセポップ風のアレンジ、中近東風の旋律、オーケストラを主体にした組曲など、様々な要素を取り込んだ意欲作となった。同月には故郷ティンマスで凱旋公演を行い2日間で3万人を動員し、 10月にはイギリス『Q』マガジンの選ぶ 「ベスト・ライブ・アクト・イン・ザ・ワールド・トゥデイ (現在活躍する世界最高のライブ・バンド)」に選ばれた。

メンバー
・マシュー・ベラミー (Matthew Bellamy) - ボーカル、ギター、ピアノ、シンセサイザー
・クリス・ウォルステンホルム (Christopher Wolstenholme) - ベース、ボーカル、コーラス
・ドミニク・ハワード (Dominic Howard) - ドラム、コーラス、シンセサイザー
(出典:ウィキペディア)


2015年4月7日火曜日

Youtubeの動画を2倍速再生で見る方法。 再生速度を変えてみよう!

その方法とは? 簡単です。

Youtube画面の右下にある、下図の歯車ような「設定」を左クリック、その中の「速度」を選択し、好きな速度を設定します。


解説動画などは、1.5倍~2倍で見ると、時間の節約になりますね。

音楽などでも、速く聴くことができ便利です。
声質を変えずに2倍速にする技術は、さすがGoogleですね。


2015年4月6日月曜日

好きなものを紹介したり、 あなた自身で商品の申し込みや購入をして、報酬を得ませんか?

アフィリエイトを始めたい方へ



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2015年4月5日日曜日

人生の錯覚(2) 自分が正しい?



人とよくケンカをする人がいます。夫婦げんかが絶えない家もあります。

なぜ人はケンカをするのでしょうか? 自分が正しいからでしょうか? それとも周囲に悪い人が多いからでしょうか?

諍いを減らすにはまず自分の感情をあまり高ぶらせないことです。

第二にあまり自分と利害関係のないことに感情的にならないことです。たとえば「地球温暖化」などのことでも感情的になる人がおられます。相手が意図があってウソをついている時には少しは怒ってもよいし、「怒っているふり」なら良いのですが、地球を代表して居るような感じの人もいます。

また意見を書くときも、「間違っている」と書こうとしたときに、「私の考えと違います」と書くだけで品のよい文章になると思います。

そして最後に、毎日の生活で「それは違うよ!」という代わりに、「わたしは・・・思うのだけれど」と言う癖をつけるだけで違ってきます。

(平成27年3月27日)

(出典:武田邦彦(中部大学)ブログ



2015年4月4日土曜日

健康を知る001 お金にまみれた健康



自由な社会と資本主義は、アダムスミスが言った「神の手」が働いて自動的にうまくいくと今でもほぼそのように考えられているけれど、貧富の差が開いたり、まじめに働いていても金融危機など全く関係ないことで解雇されたりする社会でもある。

そう、お金は人生にとって大したことは無いとは言っても、やはりお金はお金である。でも、やはり人生にとってもっと大切なものの一つは「健康」だろう。その健康までもお金に翻弄されている。

一番、危惧されているのは、たとえば高血圧で、血圧の「基準」というのを10下げると降圧剤が4000億円ほど余計に売れると言われている。だから少しずつ血圧の基準が下がってきた。

私の若い時代は、正常血圧=年齢+90 だった。だから70歳の人は160が「正常血圧」になる。ところが、いつの間にか(高血圧の研究が進んでというのが正しい)年齢とは関係なくなり、150,140,130と減ってきて、2014年に血圧騒動が起こったときには「至適血圧」は120まで下がっていた。

血圧の問題は別の機会に整理をするけれど、お年を召した方で血管がやや硬化している場合、120まで下げると「毎日、ぼーっとしていて、ただ生きているだけ」という状態になる場合もある。

だからといって犯罪としては取り締まられることはない。もともと刑法はそんな複雑な仕組みを想定していないし、警察は乱暴な犯罪に追われているから、そんなこと医師の方でやってくれということになる。

時々、「降圧剤の効用についての論文に作為があった」というような事件が大々的に報じられる。もちろん「降圧剤を使ったら、こんなに効果があった」という論文が続くと、その薬の販売量は増えるだろうから、いかがわしい研究者が製薬会社からお金をもらって書くことも、人間だからあるだろう。

でも、それも氷山の一角であり、今の貧弱な刑法では太刀打ちはできない。

血圧ほどはっきりしていなくても、次回に整理する「植物油」問題がある。なかなか巧みで、まず肉食が主体の欧米の病気の例を大々的に報道し、それに数ある動物実験のなかで都合の良いものを取り出して、これもマスコミに宣伝させる。

それが第一段階で、日本人にはあり得ないような高いコレステロールの患者さんを示して、「コレステロールは悪だ」という宣伝を繰り返す。それが10年も続くと、日本人の多くが「コレステロールは悪だ。動物性脂肪をとらない方が良い」ということになり、さらにテレビが「さらさらサラダ」などという番組をやり、日本だけで販売されている「サラダ油」というものが売れる。

ところが、植物油だから健康に良いなどというほど単純ではない。もともと毒性が強く食用に向かない菜種油のようなものがあるのは昔から知られている。ただ、食物の歴史をみんなが知っているわけでもないので、主婦はテレビで言っているとおりを信じて、植物油信仰が固定する。

これも犯罪になりにくい。悪い植物油を食べても、せいぜい不妊、性欲減退、神経症などになるが、急性の病気で死ぬわけでもないし、ある人に子供ができなくても、それをその人がそれまでに食べた食材との因果関係を証明するのは不可能である。

そこで、このシリーズでは「刑法でも、社会的にも糾弾されることはないけれど、食材や食品加工などで危険なものを、「純学問的」に整理」して少しでも毎日の食生活が安全になるように考えていきたいと思う。

「これを食べれば」というものではなく、「こう考えるとより安全になる」と言うことなので、ややまどろっこしいと思うけれど、現代のお金本位の社会で、安全な食生活を送ろうとすればどうしても知らなければならないことを示したいと思う。

(平成27年4月3日)

(出典:武田邦彦(中部大学)ブログ





2015年4月2日木曜日

人生の錯覚(1) 休みの方が良い?




人生というのは錯覚が多いものです。

学校が休みになるとむやみにうれしいものです。仕事で会社にいるより家に帰った方が得になった気持ちになります。

学生で勉強しなくても試験が白紙でも、単位がもらえるならその方が良いと考えがちです。

どんな人生が幸福なのでしょうか?

(平成27年3月27日)

(出典:武田邦彦(中部大学)ブログ




2015年3月25日水曜日

川井郁子 Ikuko Kawai リベルタンゴLibertango [嵐が丘.Live.Concert.Tour.2005]



川井 郁子
川井 郁子(かわい いくこ、1968年1月19日 - )は、日本のヴァイオリニスト・作曲家・大阪芸術大学芸術学部教授。香川県木田郡牟礼町(現・高松市)生まれ、高松市育ち。

高松市立牟礼小学校-高松市立屋島中学校-高松第一高等学校音楽科-東京芸術大学卒業。同大学院修了。2001年4月より大阪芸術大学芸術学部音楽学科教授。2005年より教授。ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団、ニューヨーク・シンフォニックアンサンブル、サレー・アンタル・ジプシー楽団、ブルガリアン・シンフォニー・オーケストラ、読売日本交響楽団、NHK交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団など、国内外のオーケストラと多数共演・レコーディングを行う。

2005年11月結婚。2006年6月20日、第1子(長女)を出産。産休後、同年9月より演奏活動に復帰。2013年3月離婚。
音楽活動だけでなく、女優としても活動。1998年の映画『絆 -きずな-』(役所広司主演)では批評家大賞新人賞を受賞している。他には、1999年放送の連続テレビ小説『すずらん』(遠野凪子主演)に出演している。また、2011年10月より、『うどん県』という香川県のPRページ内で学芸員役で出演している。
2013年、『北のカナリアたち』の音楽で第36回日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞した。(出典:ウィキペディア)


2015年3月23日月曜日

ヨーロッパ (バンド) Europe - The Final Countdown (Official Video)

何故かこの曲を聴くと元気になりますね。


ヨーロッパ (バンド)
ヨーロッパ(EUROPE、1979年 - )は、スウェーデン出身のヘヴィメタルバンド。"The Final Countdown"(1986年)の大ヒットで知られる。1992年から一旦長期にわたり活動を停止するが、2004年に再結成を果たしアルバムをリリースした。現在は"The Final Countdown"発表時のメンバーで活動中。再来日も果たしている。
北欧メタルの始祖的存在として位置づけられることが多い、メロディアスな旋律とハイトーン・ヴォーカルを最大の特徴とするバンドである。特に初期の作品にはこうした色合いが強く、キーボードを盛り込んだ叙情的なメロディは数々のハードロック、へヴィメタルバンドに大きな影響を与えた。
"The Final Countdown"はEUROPEの最大のヒット作となり、日本でもスズキ・カルタスのCMソングとしてヒットした。(出典:ウィキペディア)


2015年3月18日水曜日

他を愛する心 その5 人間はDNA支配か?




さて、先回、私たちは一人の人間のように思っているけれど、それは遺伝子の策謀で、実は私たちの体は単なる遺伝子の乗り物であり、「こうしたい」と思うのは遺伝子が自分に有利になるように体の中で指令している、つまり私たちはエイリアンが体の中にいて、その通り動いている人形に過ぎないというドーキンスの考えを紹介しました。

だから人間は利己的な生物である。無理して他人のためなど考えても無駄だということになっています。ところが昔から「どうも生物は利他的なところもある」とか、「自然淘汰だけではとうてい説明できない形質を持っている」というような疑問がありました。

この疑問は進化論、自然淘汰、DNA、そして利己的遺伝子と「強者が残る」という論理が整理されればされるほど、反対のことも明確になってきたのです。特に、生物学の主力が「目に見える大きな生物」、つまり三葉虫とか恐竜のようなものを観察していたのに、それが微生物を観測するようになって様子が変わってきたのです。

地球上には目に見えない微生物も含めて、何十億という生物がいるようです。今でも新種が次々と発見されているのですから、全体像は定かではないのですが、なにしろ膨大な数の生物がいることは確かです。

一般的に弱い生物は環境の悪いところに押しやられ、強い生物が良い場所を締めてしますが、それにしても種類が多すぎます。明らかに同じようなところに戦ったらどっちが勝つかははっきりしているのに、徹底的に戦わず、複数の生物が一緒に住んでいます。

もし進化論から利己的遺伝子の考えが正しく、強いものが弱いものを駆逐することによって生物が進化し、ついに人間まで誕生することになったなら、この世はある環境下ではある生物が一種類になってしまいますが、事実はものすごく多い種類の生物が生息しています。ということは「弱いものは絶滅していない」ということを示しています。

ここでもう少し深く考えてみたいと思います。一口に「強い」、「弱い」と言っても、生物は相互に関係していますし、まして動物はCO2を食べることができないという制約があり、どうしても植物と一緒でなければ生きていくことはできません。

たとえば動物にとっては、「CO2をどんどん食べる食欲旺盛な植物だけれど、毒もないし、防御もしていないので、食べやすい」というのは「弱いかも知れないが、都合の良い植物」ですから、それを淘汰するということはありません。

でも、イボタとイボタ蛾のように蛾が食べようとすると毒物を出すような植物は強いけれど、歓迎されません。

これは動物相互にもあって、閉鎖された空間の中にシカとオオカミを一緒に住まわせますと、オオカミはシカをとって食べようと思えばいつでも食べられるのに、決して絶滅するようなことはせず、「シカとオオカミの両方の最大幸福状態」にすることが知られています(ロイヤル島のシカとオオカミの関係)。

つまり、生物は個体として「利己的」ではなく、もっと広い視野で「利己」なのか、それとも生物の性質の中にもともと「利他」を含んでいるのかはさらに難しい問題です。

(平成27年2月26日)

(出典:武田邦彦(中部大学)ブログ



2015年3月17日火曜日

他を愛する心 その4 ダーウィンと利己的遺伝子



この「他を愛する心」というシリーズは、今、私たちが健康でいたいとか、長寿とか、さらには認知症になりたくないとおもっていて、それには「自分の生活や生き方、ストレスを改善しよう」としていますが、それは違うのではないか、私たちが健康だったり、幸福になるのは、自分が健康に注意するからではなく、あたしたちの愛が他に向かっている時ではないかと思うからです。

それを単に感覚的ではなく、しっかりとした根拠のある論理を作って、普遍化しようとしているのがこのシリーズです。これまでの3回はやや卑近なことから始めたのですが、ここから少し科学的な内容にはいります。

人間が「利己的」な生物であるか、それとも「利他的」であるかという問題を科学的にはっきりさせたのが、生物の進化を研究して「進化論」を著したダーウィンと、それから100年ぐらいたって、生命の元を明らかにしたDNAの解明者ワトソンとクリック、そして、きわめて明確に進化の内容を整理した「利己的な遺伝子」のドーキンスでした。

まずダーウィンが「自然淘汰」、つまりより強い方が勝つという原理によって生物が進化してきたことを示し、それをフリースという学者がオオマツヨイグサの突然変異の研究で進化の具体的な方法を示しました。つまり、生物は生活しているうちに突然変異をおこし、まれにその中で選りすぐれた性質を持つ突然変異をした生物が残る・・・これを繰り返してアメーバのような生物から人間まで進化してきたという理論です。

この進化論は、ワトソンとクリックのDNAの構造解析で、命とはどういうものか、生物の形がどうやって決まるかがわかり、さらに、放射線などを浴びてDNAに変化が起こり、その変化がより強くなる方向の場合に新しい生物が競争に勝って進化が進むという、それまでの突然変異という現象論に加えて具体的な化学的内容も解明されました。

DNAの構造解明とその影響の研究で、生命の誕生や生物の進化はこれでほぼ完璧に説明できるように見えたのです。事実、イギリスにドーキンスという学者が現れ、鋭い観察眼で「利己的な遺伝子」という大著を著し、それによって生物そのものとその進化はすべて明らかになったと考えられました。

「利己的遺伝子」という書籍は大著ではありますが、とても面白いものです。

ドーキンスはイギリスの大学の先生で、学生と飲みながら議論するのが好きで、その議論の中から総合的な考え方がまとまったと言われています。おどろくことに、「生物はその体の中にある遺伝子の乗り物に過ぎない。すべては遺伝子によって操られている」というのですからびっくりします。

たとえば、私は一人の人間のように思っています。でもドーキンスに言わせれば、本当は一人の人間でも何でもなく、私の体の中にある遺伝子が「生き残って次に子孫を残すために作った乗り物」に過ぎないというのです。私の親の体が劣化しないうちに私を産み、そのときに遺伝子は親の体から私の体へと移動する。私を産んだときの親の体はかなり劣化しているので、その命がつきると遺伝子も死んでしまうので、安全を期して親が40歳ぐらいまでに乗り移ってしった、単にそれだけというのです。

そして、私の体に乗り移った遺伝子は、まず私が成長すること、そして適当な時期に女性が好きになって子供を作ることを計画します。私は単に女性を見るとムラムラとくるとしかわからないのですが、それは私の中の遺伝子がそうさせているのです。

つまり、人間は40歳ぐらいまではまあ安心ですから、遺伝子は悠々と計画を練ります。ます若いうちは勉強させ、運動して体を鍛えさせ、そして女性が好きにならせと順序通りさせる、すべて遺伝子の策略である・・これがドーキンスの考えです。

おいしい料理、快適なスポーツ、愛する彼女、すべては遺伝子のダマシなのですから、利己的遺伝子を知ってしまうとむなしい気持ちもしますし、どうせ自分の体の中のエイリアンが指令しているだけだ、それに反することもできないのだから、いっそ、遺伝子の指令通り、快感を味わった方がよいと自暴自棄にもなります。

ダーウィン、フリース、ワトソンとクリック、そしてドーキンスと続いた「自分の遺伝子のために生きている。だから人間の本質は利己的だ」という完璧な考えと、事実、アメーバ、三葉虫、恐竜、そして人間と順序よく進化してきた生物の歴史から、この理論は完璧のように思われてきました。

でも、どうやら間違っていたのです。

(平成27年2月23日)

(出典:武田邦彦(中部大学)ブログ



2015年3月5日木曜日

他を愛する心 その3 愛と風力発電



かつて「石炭を焚かなくても水の流れを利用して電気を作ることができる」といって日本でも盛んにダムと水力発電所が作られたことがありました。私の小さい頃、ダムは日本の発展の象徴でしたし、水力発電所は自然と調和した環境によいものとして大いにもてはやされたものでした。

たとえば静岡県の佐久間ダム、富山県の黒部ダムなどは、戦後の復興とともに電気の需要が高まった頃、本当に救世主のようなものだったのです。そして豪快に放水されるダム、日本の自然と見事に調和している人工湖、電気、農業用水、洪水防止、観光など何をとってもダムと水力発電所は「よい子」のように思われたのです。

ダムを建設するときには付近の住民を集めて公聴会を開きます。たとえば黒部ダムの場合は、ダムを造っても近くの住民にメリットがあるわけでもなく、関西電力はダムで作られた電気を金沢の方に送るのですから、近くの人から見ればダムだけができるということでもあるからです。

そこで電力会社は、国の発展のため、洪水がなくなる、観光産業が興るといろいろなメリットを強調して地元の賛成を得るということをしていました。

でも、私は15年ほど前の本に「公聴会には魚のお母さんを呼ばなければならない」、「魚のお母さんは「私には育ち盛りの子供が2匹います。もしダムができたら水が涸れて子供たちは死んでしまいます。人間はテレビを見ることができるようになるからよいのでしょうが、私たち親子の生死がかかっているのです」と訴えるでしょう」と書きました。

ダムと水力発電所は人間にとっては電気が増え、観光もできるのでよいことですが、川という自然は人間のためだけにあるのではありません。太陽の光が海水面を照らし、水が蒸発し、それが上空で雲となり、風で流されて山にぶつかり、雨を降らせ、それが川となって流れます。

エネルギーで言えば、太陽のエネルギーが水のポテンシャルエネルギーになり、さらに川の運動エネルギーに転換されるということになります。そのエネルギー、元々は太陽の光ですが、それを利用しているのが魚であり、河畔の樹木であり、川を転がる小石でもあります。鳥がさえずるのも、平野ができるのも、すべて太陽のエネルギーが変わったもので、それを自然は余すところなく使っているのです。

人間から見ると川は無駄に流れているように思いますが、自然は結構、節約家なので、川のエネルギーはとことん利用されています。そこに人間が割り込むのですから、人間が電気を横取りする分だけ自然は痛みます。

それが明らかになってきたのはダムを造ってから20年ほどたったときでした。日本ではダムの下流の自然が破壊され、ダムには砂がたまってあれほど苦労して作ったダムも短い寿命であることがわかってきました。エジプトでは世界の注目を浴びたアスワンダム、アスワンハイダムの影響でナイル川と地中海のエネルーバランスが崩れて6000年も続いてきたナイルデルタの農業が壊滅しました。

そこでやっと人間はダムを造るというのは人間の都合だけだったことに気がつきます。私が15年ほど前に書いた本に「風力発電は自然を破壊する」という一節があり、当時、社会から「そんな馬鹿なことはない。風から電気をとっても風は変わらない」というばからしいバッシングを受けたものです。

当時のフジテレビのキャスターが地上波を使って一介の学者だった私を「売名のためだ」とテレビで批判しているのを聞いたのもその頃でした。でも、風もまた太陽エネルギーの変形で、風が吹くから樹木の葉から水分が蒸発し、地面が乾き、花粉が飛び、鳥が舞うことができるのです。そして風から電気になるエネルギーをとれば「エネルギー保存則」で風は弱まり、樹木は枯れ、地面は湿気るのです。

ここでは二つの例を挙げましたが、私たちは頭でっかちになり、それも中途半端な頭脳の理解と判断で、自分によいことを「自然や他の生物も同時にメリットがある」ととんでもないことを考えるようになったのです。それはおそらく人間の本来の心とは違うので、頭脳で考えた利己的判断と、人間という命が感じる利他的な判断のずれが、現代人の最大のストレスになっているのでしょう。

(平成27年2月20日)

(出典:武田邦彦(中部大学)ブログ




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