はじめに
前回は、顕在意識と潜在意識を「船長と乗組員」に例えて、その関係性を見てきました。
今回はさらに一歩進めて、私たちの「信念」がいかに現実を形づくるかを物語を通して学んでいきます。
カルーソーのエピソード
イタリアの偉大なオペラ歌手、エンリコ・カルーソー。
世界的に名を馳せる前、彼は極度のあがり症で、舞台に立つと声が震えてしまうことがありました。
ある公演の前、彼は舞台裏で胸を叩きながらこう叫んだのです。
「大きな自分よ、前に出ろ! 小さな自分は引っ込め!」
その瞬間、不安に震えていた彼の意識は切り替わり、見事に舞台を成功させました。
この体験をきっかけに、カルーソーは自らの信念を強化し、偉大な歌手としての道を歩んでいきました。
信念の法則
潜在意識は、あなたが心から信じたことをそのまま現実化します。
たとえそれがポジティブなものであれ、ネガティブなものであれ、潜在意識は忠実に実行するのです。
- 「私はできない」と信じれば、本当にできなくなる
- 「私は必ずできる」と信じれば、その方向に現実が動く
信念は、ただの思考や希望ではなく、心の奥底での確信です。
そしてこの確信こそが、潜在意識を動かす最も強力なエネルギーになります。
信念を育てる方法
1. 繰り返し言葉にする
「私はできる」「私は成長している」と、肯定的な言葉を毎日繰り返す。
言葉はやがて潜在意識に刻まれます。
2. 成功体験を振り返る
過去にできたこと、うまくいったことを思い返し、「自分はやればできる」と再確認する。
3. 不安を打ち消す習慣
「もし失敗したら…」という思考が浮かんだら、すぐに「でも必ず成長につながる」と置き換える。
まとめ
信念は人生のハンドル。あなたがどの方向に信念を切るかで、現実が決まります。
カルーソーが恐怖を信じるのをやめ、「大きな自分」を信じたように、私たちも自分の潜在意識に正しい信念を伝えることができます。
次回は、潜在意識に働きかける具体的な「暗示の力」について掘り下げていきます。
